試乗

VABのWRX STI Type Sに試乗してきました。S4と比べるとじゃじゃ馬です

2014年9月6日、私は休日だったのでお昼から散髪屋さんに行こうと思って出かけようとしていたら突然スバルさんから携帯電話に電話が入ってきてなんだろうと電話に出ると営業の方から「kさん!今日だけなのですがSTI試乗車入ったのでよければ試乗してみませんか?明日には他店に移動してしまうので乗れるのは今日だけなんです。」と言う連絡でした。もちろん私は散髪屋さんへ行くのを辞めて直ぐに参りますと電話を切って急ぎ大阪スバル西店さんの方へ赴きました。

スバルさんに到着すると目に飛び込んできたのはなんとなんとVABのType S(ビルシュタインダンパー+軽量BBS製18インチアルミホイール標準)ではありませんか。早速お店にGVBを駐車してVABと並んで記念撮影しました。ちょっとだけ撮影位置が奥の方になるのですがご了承願います。

左が私のGVBで右が試乗車のVABです。やっぱり新型のVABの方が迫力があり威圧感が高いと感じました。

VABとGVB並んだ写真

 

VABの外観はカタログで見ての通りです。ただWRブルーパールの色が吸い込まれるような綺麗な青色をしていました。

VABフロント写真

 

横から見た写真です。BBS製の軽量18インチアルミホイールです。これならブレーキダストの汚れも目立たないしホイールを洗うのが楽そうですよね。

VABサイド写真

テールデザインです。大型リアスポイラー(羽)はGVシリーズのものと変わらないです。リアバンパーの下を見てください。アンダーガード的なパーツが取り付けられていてちょっとラリーカーをイメージさせてくれます。真ん中の赤いライトはテールフォグです。マフラー二本出しのデュアルパイプとなります。

 

VABテール写真

ここから試乗させて頂いた大まかな感想を先に書きます。

WRX S4と比較するとじゃじゃ馬

S4があれだけ完璧な仕上がりだったのでそれをイメージしながら乗ったら何ともサスペンションが硬いではありませんか。乗り心地が悪いのかと言うとそうじゃなくて路面の状態をリアルタイムにドライバーへ運転席シートを通じて教えてくれている感じの減衰セッティングと言う感じです。S4のエレガントですっごいソフトな乗り心地に対して比較するとまるで暴れる馬に乗っている様な気もしまさいた。しかしビルシュタインダンパーですのでこの点はやはり致し方が無いのかもです。

S4は路面に吸い付いて離れない乗っていてとても安心できるしカーブも楽しく曲がることが出来る。加えてすっごい静か車の中の静粛性は満点に近いものがありました。

反面VABの車内は五月蝿い。マフラーサウンドが車内に結構入ってきます。でもMT乗りにするとこの音がとても心地良いのですがS4の静粛性をイメージしてたのでちょっとびっくりしました。余談ではありますが私のGVBはノーマルマフラーの時こんなにマフラー音は入らなかったです。

VAB運転席している時の写真

ボクサーサウンドをプチ復活

スバルと言えば水平対向エンジンのあの独特の「ドドドドド・・」と言うボクサーサウンドが代名詞なのですが、GDBの涙目から等長爆エキゾーストを装着されてしまってボクサーサウンドを聞けなくなったのですが、このVABは低回転の時に「ドドドドド・・・」って言うのです。最初あれ?不等長爆だったのかしら?と思うほどはっきりボクサーサウンドが聞こえてきました。詳しくはその点営業の方に聞いてないのですがわざとボクサーサウンドを出させているような感じです。

Google+にボクサーサウンドアップしたのでよければ聞いてみてください。

ここで疑問点、結構な音が入るのでBRZと同じサウンドクリエイターが搭載されているのでしょうか?WRXの公式WEBサイトの方にはサウンドクリエイターの説明は無かったですし、私が直接聞いた音は実はタイヤ(245/40のハイグリップタイヤなのでタイヤ本体も原因だと思われます。)の騒音も結構な音量で入ってきていたので、歴代のSTIと似たような静粛性だと思います。"WRS S4"とは根本的に作りが違う可能性が高い。

VABマフラーアングル

低回転トルクアップ

カタログスペックを見ると歴代のSTIに搭載されるEJ20エンジンと同じスペックなのですが、VBAの一番の特筆点としては低速回転でもトルクがあります(低速トルクに関しましては開発中段階でECUを少しチューニングしたとありましたのでその結果が大きく出ているものと思われます。)。SIDRIVEモードはSPORTモードのSを選択で(S#は試していない)加えてエアコンバリバリかけている状況でも1000回転前後で町中余裕で走ることが出来ました。EJ20ターボの特性をご存知の皆様ならすっごいわかってくれると思うのですが3000回転以下は殆ど走らないですものね。しかしVBAは走るのです。ズバット前に進んでくれます。低回転で走っている動画もアップしたのでよければみてください。4速1500回転から5速1000回転走行中の動画。

VAB低回転走行中の写真

 

MTの運転はし易い

VABのクラッチはBRZと同程度の軽さです。もちろん私の乗るGVBよりもとてもクラッチは軽いのですが上にも書いた通り低速トルクがあるのと半クラッチのミートがわかりやすいので直ぐに慣れると思います。BRZは試乗した時私もクラッチのミートに手こずったのですがVABはすぐに慣れました。

またシフトチェンジもストロークが短くてシンクロの働きが良いと言うのか1速から6速までサクサクギアチェンジ出来て何処か入りにくいギアがあるとかもなくてシフトチェンジは思いのままと言う感じです。シフトアップの動画良ければ見てください。本当にさくさくシフトアップできます。もちろんシフトダウンもやりやすかったです。

シフトアップの動画

VAB6MTシフト操作

コーナーリング

コーナーリングのフィーリングですよね。これは正直な所S4(電動パワーステアリング)の方が町中に限っては上だと思います。VABは今までどおり油圧式パワーステアリングなのとD型形状の小さいステアリングが手伝ってちょっとコーナーリングはハンドルが重たく感じます。なので高速コーナーは安心感高いですが普通に交差点などを曲がる時は私みたいなおっさんだと「よいしょっ」って回る場面があったりします。S4は全てが安心感高いので自然とスピードが出てしまうしカーブもひょいと曲がってしまうのですがVABは跳ねるハンドルリングで抑えこむ、曲がる時はよっこらしょっと的にハンドルが重い的なステアリングフィーリングです。

ただ曲がらないのでは?と言うイメージではありません。ものすごい曲がります。このコーナーですがこの速度でノーブレーキで入るとGVBなら外に滑り出てしまう奥に入り込むコーナーなのですがVABはヒョイッと言う感じで曲がってくれました。個人的にはこの時すごく感動しました。何故こうも違うのか?それはVDC技術が進化したからだと思います。四輪をコントロールする技術が大幅にアップしている結果、車線一本はみ出る様な速度を出してコーナーを曲がってもくるりと回る事が出来たと推測する次第です。VDC含む四輪コントロールの説明はWRX STIの安全性能ページに説明があります。

その他”アクティブ・トルク・ベクタリング”機能を持ちコーナを曲がっている時アクセルONにすると内側の車輪に抵抗をかけて外側に駆動力を掛けファーストアウトをサポートしてくれる技術が導入されています。

VAB高速コーナー旋回

 

乗っていて楽しいか?

はい、ビルシュタインダンパーのお陰でTypeSは乗っていて楽しいと思います。ただスポーツカー嫌いな方が乗ると何だこの車は?と思うかもしれないのですが、スポーツカー好きな方なら絶対気に入ります。だってハンドルを抑えこまないと跳ねまくるのでとっても楽しいです。ただ跳ねるからと行って安定度が無いのかと言うことは決してありません。

車から伝わる路面状況をドライバーがハンドルから車に伝えてと言う感じでまさにじゃじゃ馬をコントロールしている感覚を覚えます。ただ未だ純正タンパー仕様のSTI(VAB)を乗ってないので純正側はどうなのかがきになる所ですがTypeSのビルシュタイン仕様は結構なじゃじゃ馬で楽しいです。

注意、あくまでもS4や私の乗るドノーマルGVBと比較した感想です。走り屋さんの車に比べたら乗り心地はすごく大人しいです。

VAB運転席

 

どっかんパワーはあるのか?

今回も試乗車とは言え車をいたわる気持ちから3000回転前後しか回してません。やっぱり新車なので回すとかわいそうなので。

インプレッサの売りでもああるどっかんパワーはあるのか?3000回転前後までしか回してませんが2500回転から吹け上がりが突然変わります。クイッと後ろから押されるような感覚を覚えました。EJ20のターボエンジンなので3000回転及び5000回転付近から恐ろしいまでの加速力はあると思われます。S#モードならなおさらでしょうか。

VABインパネアングル

三連メーターは必要か?

GC8/GDB歴代のインプレッサを含めて油温・水温・ブースト計と三連メーター(YさんのGDBに取り付けた四連メーター)を取り付ける事もインプレッサを買う一つの目標でもあるのですが、この車にはブースト計が既に装備されてしまっています。ステアリング左側のECU情報を出力モニターでいろんな情報を細かく確認できるようになっておりましてもしかしたら今までの様に三連メーターは必要無いかもしれません。加えてインパネの二眼メーターの真ん中にシフトインジケーターも装備されています。なので社外品のメーター類は取り付けるまでもなく既に純正で実装済と言う形になります。

シフトインジケーターですが"3"と言う数字が見えると思いますこれが現在の走行中のギア数を表示するシフトインジケーターです。

VABのシフトインジケーター

 

S4とSTIどちらがいいですか?

正直なところ微妙です。と言うのもS4の完成度が高いだけにSTIはちょっと心境的には重いような気もしますがインプレッサが好きなら全然買う価値はあります。でも買う時にS4と絶対比べないで欲しいと思います。理由は必ず迷うから。

これはWRX S4を試乗しに行った時撮影した写真です。フォルムはVABと殆ど変わりません。ただSTIを選ぶ目的としては6MTと言う部分だけで馬力はS4もFA20エンジンで300馬力を持ちます。VABは伝統のEJ20エンジンで308馬力を持ちます。プロが乗る以外一般ドライバーが運転してどちらが早いのかと言うとCVTのS4の方が早いですはっきり言って。静かな車内、超安定的な直進性で「あれ、もうこんなにスピードが出ている」と思わせる走りと1540kgもあるとは思えない軽い車の取り回し感はれレガシィ/レヴォーグ/S4にスバルは力を入れているな~ととても強く思いました。

S4写真VAB比較用

しかし、インプレッサが好きなら迷わずSTIを買うべし。スポーツカーユーザーの中ではSTIはやっぱり一目置かれる存在です。また逆にインプレッサなのにATかよ~って思われるのがS4です。でも私はどちらも素晴らしい車だと思いますしどちらを買っても後悔させないパフォーマンスを持ちます。ただ2つのWRXは絶対乗り比べないように、もしも迷ったらVAB試乗した時に思いっきり回してみてください。

VAB試乗レビュー動画

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