フィット e:HEV ハイブリッド車を試乗
ホンダ最新ハイブリッド車(2020年2月発売)「フィット e:HEV」(1.5Lエンジン+2モーター式ハイブリッド)5ドアハッツバックを借りることが出来たのでフィットの気になる点をレビューさせていただきました。
借りてきた「フィット e:HEV」のグレードは最も廉価なモデル「フィット・ベーシック」よりも一つ上の「フィット・HOME」。
フィット e:HEV 燃費 ハイブリッドと言えば一番気になる項目
今回お借りしたフィットハイブリッドはホンダエブリゴーと言うカーシェアサービスで、大手カーシェアサービスはガソリン代金込なのではっきり言って燃費運転されていないのだが
フィットハイブリッド(GR系)の燃費はなんと27.0km/Lと驚異的な低燃費でした。燃費運転すればおそらく30km/Lは楽勝で超えると思います。
ちなみに1.8Lエンジン+モーターハイブリッドシステムを採用するプリウスは20~25km/L前後
ノート・e-Powerの実走行燃費は16.1km/L
それを考えるとフィットが採用するe:HEVは驚異的な低燃費だと思いました。
加速性能
プリウス(プリウスPHEV含む)やe-Powerはモーターメインの加速でその速さには定評があるし私も実際に体験し確かに速いと思いましたが
フィット・e:HEVも速いです、プリウスやe-Powerと比較すると確かにモーターパワーは少し弱いような気もしますが、フィットハイブリッドは後から来るエンジンのパワーが結構強くて
モーター+ターボみたいな感じの加速力です。イメージで言うと昔の2サイクルエンジンのモーター版の様な印象で、フィットハイブリッドの方がプリウスやe-POWERよりも中間速度(0-40程度はプリウス・e-Powerが速い?かも)は速い様な印象を受けました。
e:HEVはEVモードでも走れるの?
フィット e:HEVを試乗する前に少し予習してから乗車したのだが、ホンダの説明によるとe:HEVは3種類の走行モードが設定されいると記載されているのだが、手動では変更できないとの事でした
走行環境によって低燃費を重視し自動的に切り替わる
- モーターだけで走るEVモード
- エンジン+モーターで走るハイブリッドモード
- エンジンだけで走るモード
運転のしやすさ
2020年2月発売されたフィットはとても運転しやすいです。
ドライブポジションは割と低めですが車幅感覚が掴みやすいしドアミラーも見やすく全体的な死角が少ないので、巡航はもちろん車線変更も思いのまま。
ただ一点難を言うと少し小回りがきかない感じがしました。日産ノートに近いBセグメントサイズなのだが狭い道路でUターンの切り返しがちょっと大きくマージンが必要でした。
乗り心地はフライングカーペット
フィットのグレードにもよるかもわかりませんが、HOMEグレードの乗り心地は抜群に良いです。
乗り心地が良いと一言で言ってもいろんな意味合いが含まれますが
例えばトヨタやスバル系の乗り心地はわざとふわふわとした感じがあったり、日産系やならぬるっとした動きだったり、バンプがあれば突き上げ感が高かったりソフトだったり、カーブではロールが大きくでてゆさゆさ左右に大きくまたは小さく揺れたり等、捉え方は人それぞれなのだが
フィット・e:HEVの乗り心地は総じてそれらが全部低減した感じで突き上げ感もほぼなく(後部座席はアッパマウント近くなのでわからないが)、まるでカーペットの上に座っていくつろいでいるようです。
それが道路舗装状況の悪い道路でもフィットの足は衝撃が大幅に緩和され不快感がほぼ無いです。
電動パワステの操作性
2020年2月発売されたフィットのハンドリングは若干重く感じるかもわからないですが
それはそれで個人的には好みでした。
トヨタやスバルの電動パワーステアリングが余り違和感は無いが、ダイハツだと初動が遅かったりスズキはまっすぐにしようとする挙動があったりしますが
フィット・e:HEVの電動パワーステアリングはいい意味である程度負荷が高くリニアに応答し油圧式のパワステに少し挙動が似ていると思いました。
ハンドル操作性をレビューするシーンは無いのですが、車庫入れの時に余りハンドルをぐるぐる回してない所を見て頂けると思います。回すのが小さくてもしっかり応答してくれます。
直進安定性とコーナーリング特性
試乗させて頂いたい時間が約1時間未満なので一概には言えないのですが、ボディ剛性は高いと思いました。
またサスペンションのセッティングもフィットによくあっている印象でコーナーリングの挙動はサスペンションのセッティングもよくカーブを思った以上の速度域で安定的に曲がってくれます。
ただ一点注意しなければならないなと思ったのは、この車の加速が異様に速いので速度の出しすぎは注意したほうが良いです。
カーブを思った以上の速度で曲がれると言う感じがしたとお伝えしましたが、車なりの速度以上で曲がる事はできないし危ない。
レヴォーグの事故率が高いと言う事実がある事を思うとフィット・e:HEVも同様に速度の出しすぎにはくれぐれも注意を払った方が良いです。
ブレーキ性能は良いが この車を乗って他の車を運転すると危ない
ガソリン車は違うかもしれないが「フィット・e:HEV」のブレーキ制御能力は素晴らしいと思いました。
足の力が無い人でもWRX・STIの様なブレーキコントロールをどの速度域でも容易くしてくれます。
ブレーキングを試した動画やシーンはありませんが、フィット・e:HEVを試乗した後に自分のWRXを運転して帰宅しようとしたらブレーキが石みたいに硬いと思った。
それほどフィット・e:HEVのブレーキ制御が力を入れなくても働いていると言う事になると思います。
またハイブリッドだけどブレーキ制御が長けているのでカックンブレーキにならないのも特徴的。
内装の広さと乗り降りのしやすさについて
内装は狭くはないですが劇的に広いと言うわけでもありません。ハッチバックなりの広さで大人5名乗車は可能です。
運転席と助手席のセンタークリアランスは広くもなく狭くもなく、仮に嫌いな上司や先輩を乗せても違和感なく運転できます。
後部座席はそれなりの広さ、窮屈では無いが足元膝のスペースは少ない。
乗り降りはシートポジションが割と高くないので普通だが、後部座席の開口部が割と狭いのでお年寄りは少し難儀するかもしれない。
思ったより窓は小さい
2020年発売された車両の多くは窓が意外と大きめなのだが、新しいフィットは窓が小さいと思いました。
死角は少ないが窓は小さい。
外から見ると一目瞭然。車酔いする人は窓が小さいのでその点ネックになるかもしれない。
トランクスペースの広さ・車中泊はできそう?
トランクスペースは広いです。後部座席収納しなくても5名分の荷物は乗りますしゴルフバッグも2つなら余裕で乗せられます。
また車中泊もできるか試してみました。後部座席を収納すれば身長180cmある私でもギリギリ車中泊できます。
少しだけ足をくの字にすると寝られました。
最後にフィット・e:HEVまとめ 悪い点等をピックアップ
新しいフィットはこれぞホンダの最新技術が注ぎ込まれまた細部まで丁寧に作り込まれていてこだわりをすごく感じました。
私もとてももしいま車買い替えるなら「フィット・e:HEV」しか無いと思った程で、弱点らしい弱点が見当たらない。
速いし燃費いいし見た目もかわいいのだが、一点ここは気をつけて欲しいフィット・e:HEVの悪い点があります。
それは加速力です。
記事冒頭伝えましたがちょっとした2ストのパワーバンドに入った感じの加速をするので、初心者の人はこの車を運転するにはちょっと事故する懸念があるかもしれないと言うのが本音です。
ホンダセンシングがその辺りをカバーしてくれるなら問題はありませんが、まさか借りた車で試すことも出来ないのでフィットの唯一懸念する部分とお伝えさせていただきました。