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ダイナパックの馬力チェックデータ正しい見かた 思ったより馬力出てなくても大丈夫

900馬力のインプレッサ測定結果

お世話になっているNさんのインプレッサを修理中にモーテックコンピュータの調節している過程でダイナパックによる馬力チェックしたデータを見せて頂いたのですが

補正値とか計測速度によって馬力の数値が異なると言うことを教えて頂いたのでまとめておきますのでエンジンパワーップをお考えの方の目安になれば幸いです。

補正値(tcf)って何?

Nさんが修理中に計測していたダイナパックの馬力チェック補正値は「1.00」(補正無し)でピークパワーに補正1.15掛けるとこれだけの馬力になると言う説明をして頂いたのだが

そもそも補正値って何?

自動車のカタログに掲載されている最高出力と最大トルクのネット値は走行に必要な機器を取り付けた状態で計測しているそうで、ダイナパックによるパワーチェックは駆動系とタイヤの抵抗が加わり出力損失が発生してしまう。

ダイナパックの補正値駆動系タイヤ摩擦抵抗損失分を補う値になるとの事(ネット値に近づける為)。

ダイナパック補正値の範囲

補正値の範囲はショップによって異なりますが概ね補正値1.12~1.15の範囲に設定し馬力チェックを行っている。

エンジン出力損失はFF・FR・4WD・MR駆動方式によって異なるとの事。

駆動方式別でダイナパック出力損失補正値目安

  • FF・MR駆動方式 1.05-1.10
  • FR駆動方式 1.10-1.15
  • 4WD駆動方式 1.15-1.20

インターネット上で公開されている馬力チェックデータを調べてみると群馬県のカーステーション・マルシェや千葉のモーテックジャパン、三重県のトップフューエルは補正なし(補正値1.00)でダイナパックによる馬力チェックを行っていました。

補正なしエンジン出力計算方法

例えば、モーテックジャパンの馬力チェックの補正値tcfは1.00補正なし。「gain」は緑色のグラフ&値は一回目(黄色グラフと値)と二回目(緑グラフと値)の違いを表しているとのこと。

出典、AVO/モーテックジャパンより「http://www.avomotec.com/cars/mitsubishi.html」。

補正なしエンジン出力計算方法としては上の資料だと最高出力442.6ps 最大トルク53.2kg.mなので補正を掛けると以下の値になる。

  • 補正なし 1.00 最高出力442.6ps 最大トルク53.2kg.m
  • 補正 1.10 最高出力486.86ps 最大トルク58.52kg.m
  • 補正 1.12 最高出力495.71ps 最大トルク59.58kg.m
  • 補正 1.15 最高出力508.99ps 最大トルク61.18kg.m
  • 補正 1.20 最高出力531.12ps 最大トルク63.84kg.m

補正有りエンジン出力計算方法

インプレッサネットの馬力チェックの補正値tcfは1.20(4WD損失)。

出典、インプレッサネットより「http://impreza.pekori.jp/grb_lab/grb_lab_82.html

補正有りエンジン出力計算方法としては上の資料だと最高出力357.2ps 最大トルク48.5kg.mなので補正修正すると以下の値になる。

  • 補正無し 1.00 最高出力297.6ps 最大トルク40.41kg.m
  • 補正 1.10 最高出力327.36ps 最大トルク44.45kg.m
  • 補正 1.12 最高出力333.31ps 最大トルク45.25kg.m
  • 補正 1.15 最高出力342.24ps 最大トルク46.47kg.m
  • 補正 1.20 最高出力357.20ps 最大トルク48.5kg.m

ダイナパック馬力チェックは計測速度(ギア数)によっても変わる

馬力チェックを行うギア数によってもエンジン出力計測数に違いがでるとの事。

サーキット仕様の車を扱うチューニングショップとモーテックジャパンのダイナパック馬力チェックデータを見せて頂くと車速がだいたい170km前後(2.0L車)だったのでギア数4速での計測だと予想されます。

3速計測だと車速がだいたい120~130km/h前後(2.0L車)。

教えて頂いた情報によれば4速計測のほうが馬力が3速計測よりも低くいらしい。

ダイナパックの馬力チェックでがっかり必要はないかも

例えば緑整備センターさんがECUチューニングした2.0Lターボエンジン搭載するルノーメガーヌRSのダイナパック計測結果は補正なしの最高出力279.8PS 最大トルク39.6kgm。

ECUチューニングしたにもかかわらず余りパッとしない結果だけど補正を掛けると次のような結果に。

  • 補正なし 1.00 最高出力279.8ps 最大トルク39.6kg.m
  • 補正 1.10 最高出力307.78ps 最大トルク43.65kg.m
  • 補正 1.12 最高出力313.76ps 最大トルク44.35kg.m
  • 補正 1.15 最高出力321.77ps 最大トルク45.54kg.m

メガーヌRSはFF駆動の為、補正は1.10くらいでしょうか。それでも300psオーバー出ている。

最高出力計測は4速だと思われるので3速計測だともっと馬力は出ていると思われます。

出典「http://midoriseibi.co.jp/blog/2638」より

「ダイナパックの馬力チェックデータ正しい見かた 思ったより馬力出てなくても大丈夫」への1件のフィードバック

  1. こんにちは。

    シャシダイの計測について、駆動方式ごとの補正係数の目安など詳しく解説されていて、参考になりました、私にわかる範囲でいくつか補足を・・・。

    >自動車のカタログに掲載されている最高出力と最大トルクのネット値は走行に必要な機器を取り付けた状態で計測しているそうで、ダイナパックによるパワーチェックは駆動系とタイヤの抵抗が加わり出力損失が発生してしまう。

    自動車メーカーのネット軸出力はクラッチやミッション、ホイールなど走行に必要な機器は取り付けない状態です。(詳しくは下を)
    http://car-me.jp/articles/10539
    http://kikakurui.com/d1/D1001-1993-01.html

    ダイナパックは車軸直結で計測しますので、駆動系の損失はありますが、タイヤの抵抗は加わっていません。(ホイール外してますので。)

    >車速がだいたい170km前後(2.0L車)だったのでギア数4速での計測だと予想されます。
    4速で計測するのは理由があります。4速はギア比がほぼ1.0で損失がないからです。ギア比1.0が5速の車であれば5速で測ります。

    >「gain」は緑色のグラフ&値は一回目(黄色グラフと値)と二回目(緑グラフと値)の違いを表している
    gainは、画面上でグラフの好きなところにカーソルを移動できるのですが、カーソルの現在位置での、1回目と2回目の数値の差(引き算)です。

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