燃費のことを気にしてか最近よく下り坂でクラッチを切ったままやニュートラル走行について尋ねられる事が多くなりました。
下り坂は絶対にニュートラルやクラッチを切って走らない
まず下り坂では絶対にギアをニュートラルやMT車ならクラッチを切って走らないで下さい。坂道の下りは必ずエンジンブレーキを使って下さい。
坂道を降る時は必然的に速度が出るのでエンジンブレーキを使わない場合はブレーキで速度を抑えようとします
ブレーキを使いすぎると膨大な熱が蓄積してしまいプレーキパッドやブレーキシューの熱耐性を超えてしまい摩擦抵抗が無くなりブレーキが効きにくくなり果てはブレーキオイルが沸騰してしまってブレーキそのものが機能しなくなる恐れがあります。
ほんの数メートルの下り坂ならニュートラルで走っても問題は無いが、悪い運転の癖は付けないほうが良いと思います。
下り坂を走る時は必ずエンジンブレーキを使って下さい
AT車なら2レンジを使うかオーバードライブをオフに、MT車なら3速または2速にシフトダウン(変速ショックが出て怖い場合は半クラッチを用いてシフトダウンできます)し、フットブレーキは速度が出ないように補助的に使う。
アクセル操作は行わずエンジンブレーキ+フットブレーキのみで調節しながら走る。
エンジンブレーキを使っている時の注意点 アクセルは踏まない
エンジンブレーキを使う場合はギア比が低いのでエンジンブレーキを使っている時はアクセル踏み込むと異様に加速します。
自転車で例えると、低中高と言うギアチェンジがあるとします。例えば止まっている状態から自転車を発進させる時はギアは低の方が軽く前にもよく進みます、自動車もエンジンブレーキを使っている時は自転車のギアで言う低の状態なので進みやすくなっている。
加えてエンジンブレーキを掛けている時のエンジン回転数がちょうどパワーバンド付近と言いエンジンが最も出力が出る回転数の為、自転車で例えるよりもエンジンブレーキ状態からアクセルを少し踏むだけで強烈に加速します。
下り坂では自動車の前側に荷重が掛かっているため(後ろ側が軽くなっている)車の後ろのタイヤのトラクションが抜けやすく(スリップしやすい状態)下手をするとスピンに繋がる(最悪事故)。
下り坂+エンジンブレーキを使っている時はアクセルは踏まない。(踏んでも良いがごくごくソフトに踏む様にして下さい)
下り坂でエンジンの回転数が3000回転以上でアクセルを踏むのはとても危ない。
下り坂+エンジンブレーキ状態から加速するにはシフトアップで加速させる
下り坂+エンジンブレーキを使っている時「速度が遅いな~」と感じで加速したい場合はシフトアップで対応します。
例えば3速でエンジンブレーキで速度が遅いと思ったら4速へシフトアップ、アクセルは踏まなくていい、惰性で加速していくまで待ち速度が出てきたらフットブレーキを掛けながら3速へシフトダウンと調節します。
AT車の場合も同じ、2レンジならDレンジへシフトアップすれば下り坂ならアクセルを踏まなくても惰性加速します。速度が出てきて速度を落としたい場合はMT車同様フットブレーキを掛けながら2レンジへシフトダウンします。これの繰り返し。軽めの下り坂ならオーバードライブのON/OFFを活用で大丈夫です。
MT車もAT車もシフトダウンする時にフットブレーキを掛けて速度を落とすのは、減速ショックを和らげる為です。
MT車のエンジンブレーキ状態でシフトアップ操作で加速する手順
例えば3速で時速30km/hしか出ず時速40km/hまで加速したい場合は
アクセル操作せずにクラッチを切って3速から4速へシフトアップ。
そのままクラッチを繋ぎます。シフトチェンジショックはありません。このまま惰性で加速します。
4速へシフトチェンジしても速度不足なら5速へ同じ手順でシフトアップすれば更に速度を得られる。
下り坂エンジンブレーキ回転数目安
下り坂でエンジンブレーキを掛けているがエンジン音が大きくなり壊れかもと恐ろしくなる事もあると思いますが、エンジンブレーキの回転数目安的には3000回転前後で大丈夫です。5000回転くらいまで上がってもフットブレーキの補助を使いエンジンの回転数を抑えれば大丈夫です(AT車MT車共通)。
速度の事は気にしないで、なるべくゆっくり安全に坂道を下るようにエンジンブレーキを活用しながら走行してください。
もしも下り坂でブレーキが効かなくなった時の対処方法
もしも坂道でブレーキが効かなくなったら、エンジンは壊れるかもしれないけどLレンジかローギアにシフトダウン(半クラを用いて調節)して崖側の壁かガードレールに車を押し当てて停車する技もあります。
ニュートラルかクラッチを切って坂を下る場合は燃費が良いの悪いの?
下り坂でニュートラルかクラッチを切って走る場合燃費は悪くならないです。が、実はエンジンブレーキ使った方が更に燃費が悪くならないんです。
ニュートラルかクラッチを切った状態だとエンジンはアイドリング状態で動いていて普通に燃料を必要としますが
エンジンブレーキを掛ける事によってスロットルが閉じ燃料がカット(ECUによって必要最小限の燃料は送られているそうです)される状態になります。
なので下り坂でエンジンブレーキを掛けてエンジンの回転数が5000回転付近まで上がっても然程燃料は消費しないので燃費が大幅に伸びます。
例えば山の下り坂でエンジンブレーキだけで下った資料があるのですが、下り始めは7.1km/Lだったものが
アクセルを踏まずにエンジンブレーキだけで下っていると7.2km/Lへ燃費が上昇。エンジンの回転数は3000回転前後。
山を下りきった場所では最終的に7.4km/Lと燃費が伸びている。
視聴者様からご依頼があり、ある場所で登って降る大きな橋がありそこで燃費比較テストをしたのですが
橋の下りをニュートラル走行した時は9.1km/Lと言う燃費だったものが
同じ橋の下を同様にエンジンブレーキだけで走行した場合10.0km/Lと言うニュートラル走行よりも低燃費だと言うことを証明する事ができました。