光岡自動車とかその辺を入れると唯一では無いかもしれないのですが、私の知る限りでは国産で唯一ガルウィングを採用した車ではトヨタのセラと言う車だけだったと思います。なんでまた化石の様な車を取り上げたかと申しますと、カリーナED等昔は素朴だけど早い車があったよねと色々どの車を紹介しようかと調べていたら、とても薄い印象しかありませんがそう言えば"セラ"ってありましたよね。友人とガルウィングを採用するなんてすごいよね等と話していた事を思い出しまし懐かしい事も含めてピックアップさせて頂いた次第です。
これがガルウィングを採用したセラと言う車です。昭和生まれのスーパーカー世代はカウンタックのインパクトがあるのでこのドアのシステムを見るだけですっごいと思いました。とりあえずドア開くとガバっと上にスライドするように開くので注目度も満点です。販売されていた時期は1990年3月から1993年12月です。エンジンは1.5LのNAでATとMTミッションタイプがあり駆動方式はFFとなります。中古市場では然程人気はないと思っていたのですがやはり程度のいいものは車両価格100万円を超えてきます。レア中のレアカーのプレミアム価格と言う事なのでしょうか。
セラのスペック
- 車両型式 EXY10
- 車両サイズ(全長×全幅×全高) 3860×1650×1265mm
- ホイールベース 2300mm
- トレッド幅フロント/リア それぞれ1045mm
- 車両重量 910kg
- 定員 4名
- ハンドル 右
- 最小半径 4.6m
- 駆動方式 FF
- エンジン形式 5E-FHE
- 直列4気筒DOHC
- 内径 x 行程(mm) 74.0 x 87.0
- 総排気量 1496cc
- 最高出力 110馬力/6400回転
- 最大トルク 13.5kg.m/5200回転
- 燃料供給装置 EFI
- 無鉛レギュラーガソリン仕様
- タンク容量 40L
- 10・15モード燃費 14.6km/L
- トランスミッション 4AT/5MT
- サスペンションフロント ストラット式
- サスペンションリア トーションビーム
- ブレーキフロント ベンチレーテッド
- ブレーキリア ドラム
- タイヤサイズ 175/65R14 82H
スペック的にも余りパッとしない感じですが、ベースグレードの車両重量が910kgとかなりライトウェイトなので上の伸びは期待できないものの町中を走る分に関しましては十二分なエンジン性能を発揮できるものと思いますし、最小半径4.6mと小回りも効くのでなかなか乗りやすい車だと思います。
ぱっと見地味だけどすごいんです
ガルウィングを開いていない時の状態はどことなくシルビアS13と似たようなデザインです。当時はプレリュードもセリカも類似するデザインでしたので人気のフォルムは何時の時代も真似をされる傾向にあるのかもしれません。
サイドから見るとなんとなくコンバーチブルにも見えます。
トランク部分のドアは全部ガラスです。閉じていると余り見栄えしないのですがガルウィングと一緒に開くとこれがまたびっくりする程見栄えします。
テールデザインです。大きなテールライトと一本出しデュアルパイプのマフラーです。セラで社外品のマフラーを取り付けているのは見たことがありません。
ドア類を閉じていると余り見栄えしないのですが、グラストップのドアを全開にするとこのようにド派手な状態になります。
走っているときは地味ですが停車してドアを開くと大迫力な車に切り替わります。
ただ車両のトップ部分が殆どガラスの場合夏場の直射日光が暑くて仕方が無いと思われます。
こちらは目の前からガルウィングを開いた状態のセラです。やっぱり横から見るほうがかっこいいですよね。
セラを横からドアを真上にガバっと開いた写真です。ただ見た目はかっこいいのは間違いないのですがドアを開くスペースをかなり取るのでまず立体駐車場の乗り降りは出来ない可能性が高いです。また車両を植え込みのある場所に停車して助手席側のドアを開くと道路標識にぶつけたり街路樹に当てたり擦ったりして車を傷つけるリスクが高くなります。乗り降りはしやすそうなのですが狭い場所でドアを開く際はかなり気を使う必要があるかもしれません。
5E-FHE直四DOHCエンジンです。トヨタの直四は低トルクが強いのでも有名でした。出足は抜群に早いと思います。またこの手の車は乱暴に扱うユーザーも少ないので中古で買ってもエンジンの不具合の心配も必要無さそうです。
内装
セラの運転席です。ステアリングは流石に昔のモデルなので大きめのステアリングです。シートはなかなか当時としてはホールド性のある運転席と助手席シートデザインを採用しています。
インパネは少し昭和の匂いがするデザインで左側にスピードメーターと右側にタコメーターレイアウトとなります。
助手席側の写真です。ドアを開くとすっごい乗り降りしやすそうです。
これがガルウィングの内側の写真です。ドアへの追突防止に反射板が入ってます。ライトが内蔵されているかは不明です。
後部座席です。クーペの宿命で後ろの座席はお世辞にも広いとは言えませんがCRXの様に完全なおまけ的なものではなく何とか大人4人乗れるスペースはあります。
セラのトランクです。広いのですが現代の車の様に6:4分割シートを採用しないので載せられる荷物は限定的です。
どんな人にセラはおすすめなのか?
平成元年はちょうどバブル前後だったので、ディアブロ等の高級スポーツカーが流行っていた頃ならガルウィングにも憧れてセラを買ってみようと言う気持ちも皆さんあったと思うのですが、2014年現在では流石にガルウィングの車を探す人も少ないと思います。ただ、今の時代もしかしたら逆に若い子に受け入れられるかもしれないのですがエンジンに少し魅力が足りない、例えばものすごい燃費がいいとかものすごい高回転タイプであるとか等車のデザイン以外余り魅力を見出す事が出来ない。よってお勧めする理由が無いと言う事になるのでしょうか。
しかしながらもし中古車屋さんでセラを見かけたら一度ドアを開いてみてください。実際問題ガルウィングのドアを開く機会も見る機会も少ないと思います。ドアを開くと本当にド迫力で一見の価値はあります。