アルトワークス(HA36S)を峠で試乗させてもらいました
2019年3月はじめ頃に納車したてのスズキアルトワークスを六甲の摩耶山で運転させて頂いたのでどんな車なのかお伝えします。
アルトワークスの全体的な感想
オーナー曰くボディがペラペラで風切り音が大きいと仰っていたのだけど、同乗して六甲へ向かったのだが私はそんなに風切り音が気になるレベルでは無いと思いました。
どちらかと言うとスバル車よりもロードノイズが少し大きい感じです。
車に乗る前に内装を見させて頂いたのだがドアやトランクの作りはしっかりしていて、軽自動車独特のペラペラの鉄板と言う感じは無く、ドアの開閉は意外と上品な感じで密閉度も割と高いと思いました。
ただ、エンジンを始動するとタペット音と言うのかトコトコトコ(マフラーも振動で揺れているような音がする)と言う独特の音がしてくるのでこの辺りはカスタム化する事で改善の余地はあります。
室内はとても広く大人4人余裕で乗れますし、内装の作りは可もなく不可もなくメーターは見やすいしオートエアコン標準なので快適性は抜群です。
ただトランクスペースは狭く4人で旅行する時は全員の荷物は乗らないと思います。
一番の驚きなのは運転席と助手席がレカロのセミバケットシート標準装備だった点です。
後部座席はベンチみたいなシートなので乗り心地はお世辞にもいいとは言えないが、運転席と助手席はレカロシートなので抜群によかった。
走りはエンジンは0.66Lながらターボ搭載なので六甲の急な上り坂もまったくストレス無く登ります。
峠試乗レビュー (5MT/FF起動)
アルトワークスに試乗してとても強く感じたのは、速さは抜群で言うことがありません。
コーナーリングはアンダーが強いのだがアンダーが出てもさらにアクセルを踏み続けるとゼロカウンター気味になりやすいと感じました。
ゼロカウンターになってもステアリングを調整しないとくるりと回る感じはありますが操作しやすいと言うか車なりにゼロカウンターが出やすい感じで、運転しやすいです。
クラッチのミートは曖昧でもエンストしにくい
まず感じたのは、車重わずか670kgの為クラッチが繋ぎやすく発進が楽だなと思いました。
純正の足は?
試乗させて頂いたアルトワークスはすでにハイパーマックス4GTへ交換しているので純正の足は分からなかったです。
ハイパーマックス4GTは乗り心地は良く踏ん張る足で、特に下りではゼロカウンターでもすごく粘り操作しやすいと言う印象でした。
ロールは?
全高1500mmとルーフが高いのでロールが大きくコーナーではコケやすい印象だが、実際に運転させてもらうとそうでもない。
ハイパーマックス4GTを取り付けて40mmローダウンさせて居るのだが、全高とトレッド幅の狭い感じはまったくなくてロールでは無くて小さいオーバーが出ると言う感じです。
ゼロカウンターからのお釣りは皆無
これがまた不思議で、ゼロカウンターからのお釣りがほぼ無いんです。
ハイパーマックス4GT足だからそうなのかもしれないのですが、動画の2つ目のカーブはまともにゼロカウンターなのにコーナー出たら普通にまっすぐ向いて走ります。
これも車重が軽いと言う恩恵なのでしょうか。
ブレーキはよく効くのだが、介入が入るとゴリゴリ音が鳴るのと焼けやすい
フロントはフローティング式、リヤはドラム式ブレーキだがよく効きます。ただ変なコーナーの入り方するとECUによる介入が入ってブレーキからゴリゴリ異音がしました(しばらくすると鳴り止む)。
その他では、オーナーが六甲の下りを全開で走ってくれたのだが後半鉄の焼ける匂い(クラッチを焦がした感じと同じ)がしてきて、オーナーはブレーキの熱ダレだと仰ってました。
燃費
峠を登る手前でガソリンを満タン(レギュラー)にして、峠を上って降りてきたら(両方共全開)7.3km/Lでした。
峠を降りてきて国道43号線に入って大阪まで送ってもらった時に、燃費を見させて頂くと22.3km/Lでした。
乗ってまだ2ヶ月経たないがオーナー曰く大体18.0kmL位だとの事。
アルトワークスの魅力(まとめ)
車両価格は150万円で維持費も総じて安く、なんと言っても670kgと言う車重はいろんな意味ですごいです。
・まずMTの操作性が非常によくて、MTの練習には異常に適していると思います。
・車が軽いので発進が楽だしシフトショックも少ない上にアクセルを踏むとリニアにトルクが発生して前に進んでくれ運転にまったくストレスはありません。
・車が軽いのでブレーキもよく効くし、反面加速も良い。
・車の中は広いので大男4人乗れる。
・ターボ車なのにレギュラーガソリンで良い。
維持費のコストや操作性それに居住性は言うことはありませんが、それより一番肝心な所「運転が楽しい」アルトワークスの魅力はこれに尽きると今回試乗させてもらって強く思いました。
2015年に新登場したスズキアルトワークスって速い?
偶然にもアルトワークスと遭遇(販売台数が少ないのか余り見かけない)
50型プリウスが変な車線変更しようとするので待っていたら、HA36型のアルトワークスが私の乗るWRXと変な車線変更する50型プリウスの隙間を縫うようにすり抜けしてフル加速。
どれくらい速いのかな~っと興味が湧いてきたのでWRXのSI-Driveはインテリジェントモードだったけど、引っ張らずに4速でフルブースト掛けたらあっさり追いついてしまった。
アルトワークスってもっと速いのかなと思ったのですがコーナーも車重670kgなのに全然速くなかった。
HA36 アルトワークス 加速を見た感想
ローギアの加速は流石に異様に速い感じがしたのですが、3速辺りからすぐにリミッターがきいてしまう感じがしました。
また車重670kg前後と軽いのが悪影響しているのかものすごい跳ねてました。バネレートが硬くダンパーストロークが割りとある印象で、ある程度速度が乗ると直線で跳ねて運転しにくそうでした。
恐らくWRX側は4速5000回転位で先行したアルトワークスに追いついたので、リミッターきいているのかなと思いました。
車重670kgなのでブレーキングも深くてコーナー速度速いのかなと思ったら何かギクシャク感があって曲がりにくそうでした。
アルトワークスの軽量化を活かすには足回りとタイヤに強いダウンフォースを生み出すエアロを付けないと軽量を活かしきれない感じがしました。
2015年 アルトワークス フルモデルチェンジ
2014年12月にフルモデルチェンジを遂げたアルトですが、期待されていた「アルトワークス」も遂に東京モーターショーで発表される事になりました。
しかも待望の5速マニュアルトランスミッションなのだがショートストロークタイプなのだ。
2016年1月15日より開催の東京オートサロンにてスズキモトGPのワークスカラーリングが施され、カーボンボンネットが採用された「アルトワークスGP」出展されます。
ショートストローク5MT
このシフトノブを見て欲しい。すっごいショートストローク(NSXほどでは無いが)です。さり気なくシフトブーツとシートにはレッドステッチが施されている。今度のH36型のアルトワークスは足回りが強化され、R06A型エンジンのチューニングも施されておりRSモデルよりもトルクが太くなっている。また電子スロットルもアクセルとのダイレクト感をアップしているのでスロコンも要らない仕様で、レカロのバケットシート標準です。
左図がワークスの称号、レカロのセミバケットが標準装備。ただシフト位置が遠い感じがするのでローポジションのシートレールを入れたい所かもです。
外観デザイン
エクステリアはグリルに赤い文字で「WORKS」と言うエンブレムが付く以外はRSよりは地味なカラーリングが採用されます。フロントウィンドウの鉢巻はモーターショー用なので市販モデルはもちろん鉢巻はありません。
エンジンルームのレイアウトもRSと変わりは無い様子。インタークーラー大型化もして欲しかったですよね。
ホイールはスポークタイプのアルミホイールで、キャリパーが赤く塗装されています。
3ドアハッチバックを期待していたが5ドアのままです。コストが掛かるのを避けた印象ですが、WORKSと言うだけで一応は納得ですよね。
リヤのエクステリアも大きな変更点は無い。赤い「WORKS」ロゴエンブレムにコンビネーションランプの下にあるエア抜きに風メッキガーニッシュが装着されていてインパクトがあります。
アルト RS ワークス 内装比較
アルトワークスのインパネ。RSと比べるとインパネシフトが装着されている部分が無くなってフロアシフトとなり、運転席と助手席のスルーはできなくなったもののスポーツカーなのでこれはこれでかっこいいです。インパネは文字盤がホワイトでレーシーなデザインを採用。左がタコメーターで真ん中にスピードメーター、右側に水温アラートと燃料計のレイアウトです。
こちらはRSの運転席周りのデザインです。インパネシフトの横にエアコンスイッチ類が配置され、運転席と助手席がスルーできる様になっています。
HA36 アルトワークス 主要諸元表
- 全長x全幅x全高 3395x1475x1500(mm)
- ホイールベース 2460mm
- 定員 4名
- エンジン R06A型
- 0.66リッター直列3気筒DOHCターボエンジン
- 最高出力 64ps/6000回転
- 最大トルク 10.2kg.m/3000回転
- 駆動方式 FF
- トランスミッション 5MT / 5AGS