ホンダの車では今までFRと言う後輪駆動方式タイプは無かったのですが(創業当時は後輪駆動主体だったそうです。先代のS800も後輪駆動)このS2000と言うオープンスポーツはFRと言うホンダでは激レア的な存在の車となるのではないでしょうか。オープンながら走りを追求したしっかりとしたボディー剛性を備え車両重量はわずか1250kg(タイプSは1260kg)の車両重量に242馬力のエンジン(タイプR、FD2はK20A型でも定評の高かった)VTECHエンジンを搭載し排気量はなんと2200cc/F22C(注、前期のグレードAP1は2000cc/F20Cとなります。)。備考、2014年現時点での新車販売はありません、製造販売時期は1999年から2009年となり入手するには中古車となります。
ただネックとなるのはAT設定が無いのと2シーターと言う実用性が低い点です。このクラスのエンジンを搭載するモデルだとどうしてもシビックやインテグラと比較される事が多く実用性ならやっぱりタイプRを選んでしまうと思います。またトランスミッションは6速マニュアルシフト設定のみとなり、この車を運転するにはAT限定免許だと運転する事が出来ないのです。
スペック
1999年4月から2004年4月まで製造販売のグレードはAP1となり排気量が2000ccのVTECHエンジンを搭載します。2005年11月から2009年生産終了モデルのグレードはAP2となり2200ccエンジンを搭載します。
F22C型を縦置搭載するAP2のエンジンルームです。
グレード | AP1 | AP2 |
重量 | 1240kg-1270kg | 1250kg タイプS1260kg |
車両サイズ(全長×全幅×全高) | 4135×1750×1285mm | |
トレッド幅 フロント / リア | 1470mm / 1510mm | |
ホイールベース | 2400mm | |
定員 | 2名 | |
トランスミッション | 6MT | |
エンジン型式 | F20C型 | F22C型 |
エンジンタイプ | 水平対向4気DOHC 16バルブ | 水冷直列4気筒DOCH16バルブ縦置 |
排気量 | 1997cc | 2156cc |
内径×行程 | 87.0×84.0mm | 87.0×90.7mm |
圧縮比 | 11.7 | 11.1 |
最大出力 | 250馬力/8300回転 | 242馬力/7800回転 |
最大トルク | 22.2kg.m/7500回転 | 22.5kg.m/6500-7500回転 |
燃料 タンク容量 | 無縁プレミアムガソリン 50Lタンク | |
10・15モード燃費 | 11.6km | 11.0km |
駆動方式 | FR | |
ブレーキ フロント/リア | ベンチレーテッド / ディスク | |
サスペンション フロント/リア | ダブルウィッシュボーン | |
タイヤサイズフロント/リア | 205/55R16 89V / 225/50R16 92V | 215/45R17 87W / 245/40R17 91W |
AP1とAP2の違いですが外装は然程見栄えの違いは殆どありません。こちらがAP1です。
AP1の運転席ですが初代からデジタル式メーター(液晶パネルでは無い)を採用しAP2でも若干異なるのですが類似のデジタルインパネが採用されます。
AP2のフォルムです。AP1と殆ど同じなのですがタイプSだけかなり異なるフォルムをで純正リアスポイラーとフロントアンダースポイラーに前後タイヤハウスにそれぞれストレーキ等のエアロが施され効率の良いダウンフォースを得られるフォルムとなります。
AP2のテールライトは三連となっていてウインカーライトが真ん中に大きく配置されています。後はマフラーエンドが口径が少し大きな楕円形デザインのものが装着されます。
AP2のインパネもデジタル表示となるのですがAP1とは若干デザインが異なります。
AP2/タイプSのフォルムです。純正のGTウィングの様な大型リアスポイラーが装着されます。
タイプSには車の下部に高速走行時エアーが入り込まないようアンダースポイラーが標準となります。
タイヤハウスから空気が流れ込まないようにフロントリアストレーキを装備。
その他タイプSは専用チューニングされたダンパーと専用ガンメタカラーアルミホイールが装着となります。専用エアロにより高速安定性を得られるようになったのでショックアブソーバーは低中速度領域での旋回性を重視したセッティングとダンパースプリングとスタビライザーを強化最適化しロールの低減と応答性を向上させているとの事。
タイプS専用ガンメタアルミホイールです。ノーマルグレードのホイールはシルバーカラーとなります。重量はAP1の純正ホイールと比較するとフロント一本辺り410g、リア一本辺り180g軽量となっています。純正ホイールサイズはフロント 17×7J、リア 17×8 1/2Jです。
シートは全グレードホールド感の高いスポーツシートを採用しでタイプSのみ写真の専用セミバケットタイプのシートが装着されます。
ボディー剛性
オープンカーの場合、車のボディー部分の剛性が低くなってしまうのでそれをカバーするにはシャーシー部分を補強しなくてはならないのですが通常そうなると相当な重量が加算されますがS2000ではハイXボーンフレーム構造を独自に採用しシャーシー剛性を大幅に高めているとの事。車の重量配分もは50:50です。
足回り
AP2のスペックになるのですが写真左300mmベンチレーテッドディスクを採用、右側リアには282mmのディスクブレーキを採用。高速からのブレーキング時抜群の減速力を発揮するのと連続ブレーキによるフェード現象も低減するブレーキングシステムを装備。
トルセンLSD(リミテッドスリップデフ)標準とオーバーステアアンダーステアを自動補正してくれるVSA[ABS+TCS+横すべり抑制]を標準。ブレーキングからコーナリングそれからファーストアウトも安心して操作する事が出来ます。
トランクルーム
トランクは結構広いですが長いものは載せられない。ゴルフバック一個が限界という感じです。幌の部分は運転席すぐ後ろに収納されるのでトランク容量はオープンにしていても幌を装着していても同じです。