車を速く走らせたい(馬力アップトルクアップ)チューニングしたいとお考えの方は多数居らっしゃると思うのですが、近年の車はトラクションコントロールやアイドリングストップなどの安全装備と低燃費システムの導入で排気系や吸気系を手軽にチューニングする事が難しくなって参りました。そんな中一番手軽に行えるチューニングバネ下軽量化についてピックアップしたいと思います。
バネ下が重くてインプレッサの反応が鈍い
この10年インプレッサに乗っているのですが初代GDA-F型鷹目に乗っていた頃は全くパワー不足は感じられませんでした(むしろパワーを持て余してました)が、GVB-C型に今乗っているのですが最初ものすごい「もっさり」とした出足とレスポンスに悩みました。インターネット上にはGDBからGRB(GVBと同型)に乗り換えたらこのもさりとした感じが嫌で色々とチューニングで悩んでいる方も多数居らっしゃる情報が多数アップされています。
何故GDAやGDBと比較するとGRBやGVBはもっさりとした(鈍い)レスポンスになってしまったのでしょうか?
一番の理由は純正ホイールが18インチ+純正アルミホイールが激重な事に原因があったのです。
GDB-F型最終モデルの装着ホイールは7.5Jx17インチでホイール本体の重量は1本9.8kgです。一方GRBやGDBが当初装着していた純正アルミホイールは8.5Jx18インチで重量は1本12.4kgにもなるのです。
わずか2.6kgの差でそんなに車に影響が出るの?
私も詳しくは知らないのですが、車のバネ下の重量は車両重量換算に例えると最大で15倍の重量負荷が掛かるそうなのです。
なのでGDBとGVBの純正ホイールを比較した場合、2.6kgしか重たくないのですがこれが4本ですので10.4kgも重たくなってしまいます。これがバネ上のボディー重量に換算すると最大156kgもの車重負荷がかかると言う訳です。男性の大人が二名乗っているのと同じですよね。
参考資料
http://www.mech.keio.ac.jp/ja/souzou/proceedings2014/pdf/1-11.pdf
自動車を高性能化するにあたり、軽量化は性能向上に大きく寄与する。特に自動車のサスペンションの下に取り付けてあるタイヤやホイール、ブレーキ系などの重量物、すなわちばね下重量の軽量化はエンジンやボディなどのサスペンションより上に位置する重量物、すなわちばね上重量の軽量化の同じ質量あたり4~15倍の効果があるといわれている。その効果としては加速性能の向上、燃費の向上のほか、乗り心地や、路面追従性の向上などが挙げられる。ばね下重量を軽量化するにあたっては、ホイールを鉄製から軽量なアルミ製に交換するのが最も手っ取り早くそして効果が大きい。一般的な鉄製ホイールと現在最も軽いといわれるホイールである VOLK Racing RAYS CE28N を比べるとおおよそ5㎏の違いがあり、これをばね上重量に換算すれば最大300㎏もの軽量化に匹敵することになる。
重たいホイールは重たい靴を履いているのと同じ
靴の重量は知らないのですが、重たい靴を履くよりは軽い靴を履いたほうが以下のメリットがありますよね。
- 疲れない
- 速く歩ける走れる
これも車に当てはまるのです。ホイールを軽量化にすると以下のメリットがあります。
- 加速が良くなる
- 車のアクセルレスポンスがよくなる
- ファースト・インがしやすくなる
- コーナーリング速度が上がる
- 燃費が良くなる
実際に私もBBSの純正STI軽量ホイールとレイズ(57C6)の軽量ホイールに二度交換しているのですが、両方共軽量アルミに交換した時に感じたのは一番の違いはブレーキングとコーナーリング速度が上がると言う点でした。燃費は然程変わらないですが。
本当は車の出足のもっさりとした感じを改善したかったのですがこれは慣れればなんともなくなります(GVBの鈍い0km/h発進時のもっさり感)。一番大きなメリットはブレーキングです。ブレーキングして車が停止するまでの距離である制動距離が抜群に短くなりました。
どのようにして制動距離が短くなったかを感じるのかに付きましては、今でこそやってませんがダウンヒルのブレーキング見せる場面でのブレーキングがとても楽に行える点でしょうか。関西では名物のこの場所でのファースト・インがしやすくなり入っていくコーナーリング速度も上がりました。
この動画の0:57のコーナーのファースト・インが劇的に良くなった。
後はこの動画内にあります急な上りカーブ2速だと失速する(3000回転以上をキープできなくなる)場面のコーナリング速度が良くなってました。
https://plus.google.com/106150744555699374168/posts/JH7jLwNxEMu
バネ下軽量化の具体的なパーツは?
基本的にホイールとタイヤです。タイヤは軽量化出来ないけれども幅とインチ数を下げることでタイヤの軽量化も可能だと思われます。またインチ数とリム幅を小さくすることでホイールの質量を物理的に小さく出来るのでホイールサイズのダウンサイジングは結果的に軽量化に繋がるはずです。
補足、ブレーキ周りもバネ下軽量化に繋がります。ドリルドディスクローターに交換する等。
スチールホイールとアルミホイールとマグネシウムホイール何れが軽くなるのでしょうか?
強度面からすると強度の強いスチール(鉄)を使うことで質量を多く取らずにホイールを形作る事が出来るので一般的にはスチールが軽いとされます。
ただ、高価ではあるものの競技用に用いられるアルミホイールには超軽タイプもあります。私も余り知らないのですがYOKOHAMAのホイールでアドバンレーシング製ホイールが軽量で有名です。
ADVAN RACING ホイール重量参考値
重量はホイール1本辺りの重量です。
- Model 5 / 18インチ8J 8.98kg
- Model 7 / 15インチ5.5J 5.57kg
- RA3-DT / 17インチ9.5J 8.39kg
- RCⅡ / 18インチ7.5J 7.71kg
- RG / 15インチ6.5J 4.76kg
- RG / 18インチ9J 8.61kg
- RGⅡ / 16インチ7J 5.85kg
- RGⅡ / 18インチ9J 8.11kg
- RS / 18インチ9J 8.02kg
- RZ / 18インチ8J 7.48kg
- T6 / 17インチ8J 7.71kg
- T7 / 18インチ8J 7.89kg
- TC / 18インチ7.5J 7.71kg
- TCⅡ / 18インチ7.5J 7.71kg
最強の軽量ホイールは入手は困難だし高価ではあるもののマグネシウムホイールが一番軽量です。但しお値段も凄い高価です。
有名な所ではBBS製のRE-Mgと言う製品です。サイトにも価格が掲載されているのですが消費税別で(サイズ18インチ10.2J)1本18万3千円もします。タイヤとセットで4本揃えるだけでヘタをすると中古の軽四自動車を買うことが出来てしまいます。
RE-Mgのホイール重量参考値
- 18インチ10J 7.48kg
- 18インチ11J 8.39kg
- 18インチ8.5J 6.98kg
- 18インチ9.5J 7.57kg
思っていた程軽くは無いのかも、18インチの8.5Jで7kgを切るのは魅力的だけれどちょっとコスト的に無理がありますよね。
バネ下軽量化のデメリット
ホイールの強度が下がる、車を道路の路肩に止めるときにホイールを擦らないように気を使う等のデメリットはあるものの、走行中に車が破損してしまう等の問題は特には無いです。ただアルミは柔らかいので空気圧不足で大きな段差に乗り上げるとリムが曲がる事例は見せて頂いた事がありますが、実走行中に何か問題が生じるとか運転に支障を来す等の問題は聞いたことが無いのでその辺は気にしなくても大丈夫だと思われます。むしろメリットの方が大きいのでは無いでしょうか。制動距離が短く取れるのは交通安全にも繋がりますので。