e-BOXERって何?
スバルが新しく開発したハイブリッドAWD駆動方式をe-BOXERと言い、2018年9月に発売したフォレスターに搭載された他、同年10月にXVに搭載されました。
e-BOXERハイブリッドシステムを搭載するグレードをAdvanceとそれぞれ名付け、あえてハイブリッドと名前を付けていないのも特徴。
今後、新しいプラットフォームSGPベースに開発されるクロスオーバーグレードに準じ搭載されると思われます。
e-BOXERはマイルドブリッド
トヨタやホンダのハイブリッドシステム様にモーター駆動依存するハイブリッドでは無く、e-BOXERの特徴はエンジン駆動依存のマイルドブリッド方式。
e-BOXERはシステムを起動するとエンジンがまず始動し加速時にモーターがアシストし、快適な加速力と燃料の消費を抑える他、EV走行モードに対応する。
またX-MODE有効時、電子制御されたモーターによる絶妙なトラクションコントロールにより雨・雪・砂等の路面の悪い状況でもタイヤが空転する事を抑え安全に運転できる事も特徴。
e-BOXERモーターレイアウト。モーターは駆動の他に発電及び減速時回生ブレーキにより充電も行う。
写真「https://www.subaru.jp/」より。
今回e-BOXERを試乗したのは XV Advance
写真はXV Advanceなのですが、右側に駐車しているレヴォーグと比べるとほぼ変わらない大きさ。
インプレッサSPORT派生車なので見た目はかなりスタイリッシュ。
XV・レヴォーグ・フォレスター 車両サイズ比較
全長はスポーツワゴンのレヴォーグが長いのだが、幅はXVの方が幅広です。
XV | レヴォーグ | フォレスター | |
車両サイズ 全長X全幅X全高 | 4465×1800×1550mm | 4690×1780×1490mm | 4625×1815×1715mm |
ホイールベース | 2670mm | 2650mm | 2670mm |
XV Advanceの真後ろにフォレスター Advanceが停車していたのだが見た感じの大きさは同じくらいで圧迫感ありました。
XV Advance 乗車した感想
まず地上最低高が比較的高いので乗り降りしやすいです。
運転席につくと目線が高くフォレスターと同じくらいのドライブポジションでした。
システムをスタートすると今まで乗ったことがあるハイブリッド車のプリウス&PHVとは異なり「シューン」とエンジンが掛かりハイブリッド車と言うよりは普通のガソリン車の様な感じ。
メーター類は可もなく不可も無く、普通のスバル車のメーターと同じで2眼式、センターにEyeSightやドアの開閉にSI-DRIVE設定情報等が表示される液晶モニタがレイアウトされている。
CVTセレクトレバーも普通。車を発車させるにはDレンジに切り替えてPボタンを解除すれば発進できる。
マルチファンクションモニターにはe-BOXERが今どのような形で動作(エンジン・モーターどちらが動いているのか、今充電しているのか)しているのかを表示するモード等もあり遊び心もある。
乗り心地・安定度
XV Advanceの乗り心地は良いです、ふわふわとした感じでフォレスターの様に突き上げ感は無い。
ふわふわとした乗り心地だと安定感が薄れるのではと思い少しロールする挙動をわざと出してみたのだが
思った以上にロール(車線変更やコーナーリングで車がふらつく挙動)は少なく、安定度は高かったです。
速度を出しても安定度が高く70~80km/h出ていても60km/h位じゃないかなと言う程でした。
室内 運転時の静音性
静音性は高いです、今までのスバル車では考えられない位しずかで
エンジンの音も余り車内に入ってこないし高速道路を走っても車内で5人乗車していても全員とはっきり会話できる程、静音性は高いです。
ルーフトップの雨の音は確認できなかったが、もしルーフトップの雨音がうるさい場合はDIYで静音加工を施す必要があります。
AVH(オートビークルホールド) 自動ブレーキホールドの使い勝手は?
AVHと言う新しい機能が標準装備となっているのですが
エンジンをスタートした直後は無効です
AVHを手動で有効に切り替えれば信号待ちや渋滞でブレーキを踏んで停車すると自動的にブレーキングした状態をキープしてくれます。
AVH解除はアクセルを踏むと解除され違和感はありません。
ブレーキは効くの?カックンカックンなるの?
ブレーキはフローティング式ですがよく効きますが、停車寸前の回生ブレーキによりカックンブレーキが発生しやすい。
しかしながらプリウスのかっくんブレーキは酷いですが、XV Advanceのカックンブレーキは不快感を感じる程では無いです。
アイドリングストップからのエンジン再スタート音は静か
信号待ちや渋滞している時にアイドリングストップが働くが、発進しようとしてアクセルを踏むとリニアな感じでエンジンが始動し発進します。
その時に発生する不快なスターター音「キュルルル」は無く、XV Advanceのエンジン再スタートはとても静かです。
加速力はスーパーチャージャーを搭載しているのかと思うほど
e-BOXERには二種類のパワーモードがあり、切り替えるにはハンドル右側の手元にあるSI-DRIVEスイッチを切り替えてパワー制御を変更できる。
SI-DRIVEのパワーモード
・Iはインテリジェントモードと言いパワーを抑えた燃費運転モード
・Sはスポーツモードと言い、2.0Lエンジンとモーターのパワーを最大限にして運転するモード。
XV AdvanceのSI-DRIVEをSモードにしてアクセルをちょっと踏むとその異様な加速力を体感でき、まるでスーパーチャージャーを搭載しているエンジンかと思うほど鋭い加速を発揮する。
少しアクセル踏むとすぐに速度オーバーになるので気をつけたほうが良いかもしれない。
XV Advanceの燃費
試乗車の燃費ですが参考までに記載しておきます。
総走行距離210kmでAVG値は2.5kmLでした。
試乗車なので皆さん結構アクセル踏むのでしょうがない燃費結果だとは言え、プリウスで考えるとありえない燃費。
プリウスの場合はアクセルを踏み倒しても18~25km/hは行くので、2.5km/Lは少し酷い結果だと言える。
最後に XV Advanceを買うメリットについて
EJ20ターボエンジンを搭載するWRXを普段運転している私から見るとはっきり言ってXV Advanceはいい車です。
乗り心地、安定感、加速力、ブレーキ性能、居住性、実用性どれをとっても抜群に良いのでは無いかと思うのですが
XV Advance唯一の弱点は燃費
これでハイブリッドなの?と疑問を感じるほど燃費が悪いので、燃費を期待してXV Advanceを購入するのは避けたほうが良いかもしれない。
XV Advanceを買うメリットは
・モーターバワーを生かした伸びやかな加速力
・EyeSightのドライブ&セキュアアシスト能力
・デフロックはありませんがX-MODEと言う強力なトラクションコントロールアシストを実装してる点だと言えます。
・インプレッサSPORT派生車なのでSTIパーツ(加工が必要になる場合があるが)を流用できる
XVの室内。車格が大きいのでファス・セカンドシートには余裕があり大人5人余裕で乗車できる。