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伝説のインプレッサ22B

GC8と言えば聞き慣れた元祖インプレッサの通名ですが、そのGC8にもSTiからコンセプトモデルが販売されたことがあります。その名は通称22B、正式名称は「IMPREZA 22B-STI VERSION」。発売された時期は1998年3月、WRCのWRカー・カテゴリー3連覇を達成した“Impreza World Rally Car 97”のイメージを再現したレプリカモデルで、ベース車両は「WRX typeR STi VersionⅣ」で販売台数はわずか400台で販売価格は500万円にも関わらずわずか2日で完売した伝説の名車として今も有名です。

この車は普通のインプレッサとは異なりEJ20水平対向ターボエンジンをSTI専用チューニングとボアアップが施された2.2リッター水平対向ターボエンジンEJ22改が搭載されます。最高出力は当時自主規制値280psは超えられなかったもののEJ20ターボが超苦手とする低回転域からフラットで太いトルクを発生させつつ7900回転までスムーズに吹け上がるエンジン特性を持ちます。パワーアップされたエンジンにももちろん対応出来るようクラッチも強化されています。強化クラッチですがノーマル車並みのクラッチの軽さを実現しているもののセラミックディスクメタルの為、クラッチのミートにコツがあって慣れるまで若干時間が必要であったりする。

インプレッサ22B

また当時のGC8はガラスのミッションと言われる程ミッションが弱い部分も、メインシャフトと2ndドリブンギヤの材質を強化し、各ギヤにスペシャルハードショットを追加して強化している。5速クロスミッションにセンターデフロック機構付き。

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これはGC8のタイプRです。上としたの22Bと比べていただくとわかるのですが22Bのフェンダーがとても大きいことがわかります。22Bのワイドフェンダーはわざわざ高田工業へ持ち込まれて専用のワイドフェンダーに取り替えられているのです。

 

GC8タイプR

 

足回りも強化されていてワークスマシンのアイバッハ製スプリングを装着したビルシュタインダンパーに、ホイールは軽量ゴールド塗装のBBS製鍛造アルミホイールと235/40R17タイヤを装着。ステアリングギヤレシオは13:1のスーパークイックステアリングギヤボックスを採用します。

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エンジンに足回りとトランスミッション及びクラッチの強化はすごいのだが、ブレーキがブレンボでは無い事が唯一惜しまれる点でしょうか。ただ22Bを買ったオーナーはだいたいブレンボブレーキユニットとディスクローターは交換されている様です。

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22B純正ブレーキシステムはフロント16インチベンチレーテッドディスクに4ポッド対抗キャリパー、リア側は15インチベンチレーテッドディスクに2ポッドキャリパーでレッドカラーリング塗装が施されます。

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純正の運転席です。もし中古で入手される事がある場合、かなり変貌を遂げていると思われます。ディープコーンステアリングにブーストメーター含む三連メーターが取り付けられている可能性が高い。

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インパネはホワイト文字盤で真ん中にタコメーター8000回転レッドゾーンと右側に200km/hまで表示のあるスピードメーター

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純正シートはSTiロゴ入りスポーツシートが装着されます。

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今更ながら中古でも入手可能なのか?

時々中古車市場に売りに出ている事はある様ですが、正直な所台数が400台しか販売されていないのでなかなか出現率は少ないです。値段もプレミアムが付いて高いです。WRCで強かった頃の当時のスポンサー「555」のレプリカをやりたいならこの車を選ぶ価値はありますし大切に保管できるなら投資目的で買うと言うのも有りだと思います。

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22B主要諸元表

http://www.sti.jp/product/22b/top.html

  • 車両型式 E-GC8改
  • 全長x全幅x全高 4365×1770×1390(mm)
  • ホイールベース 2520mm
  • トレッド幅フロント/リア 1480mm/1500mm
  • 地上最低高 140mm
  • 車重 1270kg
  • 最小半径 5.2m
  • ドア数 2ドア
  • 乗車定員 5名
  • エンジン型式 EJ22改
  • 水平対向4気筒DOHCターボエンジン
  • 総排気量 2212cc
  • 内径x行程 96.9×75.0(mm)
  • 圧縮比 8.0
  • 最高出力 206kW(280ps)/6000回転
  • 最大トルク 363Nm(37.0kg.m)/3200回転
  • タイヤサイズ 235/40R17

補足、エキマニは不等長爆エキゾーストですので排気音はボクサーサウンドです。

22B 動画


「伝説のインプレッサ22B」への4件のフィードバック

  1. 今となっては程度の良いGC8を探すのも難がありますが、22Bは元々希少価値が高いので尚更の事です。

    22Bは、GC8(というよりEJ20)の弱点と言われる「低速トルクのなさ」を排気量アップで、足廻りの剛性をビルシュタインダンパーで固めるという、「GC8の豪華版」とも言える車両です。
    (ブレーキに関しては「?」ですが)

    私がGC8を購入するにあたって、「出来れば2ドア」と考えておりました。
    当然22Bも視野に入れていましたが、2・3年前当時でもタマ数自体は既に少なく、その中で良好物件と思われる車両もほとんどありませんでした。

    「クラシックカーの域」に入っているGC8を敢えて選択したので、購入にあたってはもう少し選別を突き詰めたかったのですが、既にタマ数自体が少なかったので、22Bを含めタイプRの購入は妥協せざるを得ませんでした。

    これが今に至っても、後ろ髪引かれる思いではあります。
    2ドアタイプのインプはGC8のみであり、好敵手のランエボでも2ドアは存在しません。
    この事情を勘案すると、22Bの希少価値は当然の成り行きだと思います。

    気になるのは、歴代インプの中で排気量アップされた車両が22Bのみ、という事です。
    2200cc化で好評ならば、限定生産扱いでもその後も同様車種が登場しているはずなのですが、何か特段の事情でもあるのでしょうか。

    1. 22Bはインプレッサの3000回転以下のすかすかを解消した強力なモデルですよね。今となってはほとんど幻の領域に近い車だと思います。程度の良い物ならそろそろ破格の値段がつきそうですものね。

      こうしたいい車をまたSTIには作ってもらいたいところなのですが。

      しかしこの車、フェンダーは特注だしエンジン組み替えてるし当時の値段では絶対赤字ですよね。どうしてこんな車を売ったのか、しかもありえない値段でです。経費対策だったとしか言いようがないですよね。

  2. かげまるさん、ありがとうございます。

    GC8の話になると、どうしても私は「湿った話」になり、この場をテンションダウンさせてしまいますね・・・。
    反省しております。

    まるで、「4ドアのGC8がダメ」と受け捉えられかねない感じの話になってしまっていますね。
    私のGC8は、改善が進んだ最終型なので、思うほどスカスカの低速トルクではないですし、ブレーキの弱さを除けば、動力性能に不満はありません。
    どうしても、「無いものねだり」になってしまうのでしょうね。

    余談ですが、先日アップされたGVBの加速は本当に恐ろしいですね。
    (https://www.youtube.com/watch?v=wF6aWTj3OS8)

    また、「無いものねだり」が始まりそうな・・・。

    1. いえいえ、大丈夫ですよ。新型がすごい機能を装備するのでやや妬みも入りますものね。動画見てくださってありがとうございます。やっぱりインプレッサは速いですよね。(^^)

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