お知らせ、2014年7月を持ちましてTC-SST車種の販売は終了しましたが、引き続きGSRグレード/5MTモデル(AT免許では運転できない)は生産販売を継続と言うことです。TC-SST生産終了のお知らせ。
三菱のランサーエボリューションX通称"エボ"、歴代のモデルはハリウッド映画にもよく登場して海外でも大変人気のある車です。最近ではワイルドスピードx3 TOKYO DRIFTが一番印象に残っているのではないでしょうか。
2015年1月12日追記情報
2015年9月ランエボファイナルコンセプトがリリースされる予定です。HKSチューニングが加えられ最高出力480馬力を持つエンジンスペックが与えられます。リリース時予想スペック、最高出力350馬力/6500回転、最大トルク50kg.m/3500回転。台数限定販売で予想価格は500万円。
ランエボの魅力
車の魅力を書く前に。ランサーエボリューションはよく私も乗るインプレッサと比較されるのですが違いと言えばエンジンと走行性能特性ではエボの方が低トルクが太く4WDの特性を生かすS-AWC(RSモデル以外)システムを搭載する点です。インプレッサは低速が非常に苦手で3000回転以下は軽四輪車にも下手をすると出足負けます。またドライバーをアシストするサービスですがGVB(インプレッサSTiの形式です)にもデフを制御するサービス(C.DIFF)はありますがまたニュアンスが少し異なるのとスバル車が搭載するVDCはフェルカットの様な安全に減速する形の挙動をします。
コーナーリングをアシストするS-AWCの特徴
エボのS-AWCは次の4つのパーツと電子制御を総合してドライバーのアシストを行います。
ACD、アクティブセンターディファレンシャル。四輪駆動車の要であるセンターデフです。エンジンから伝わるエネルギーを前輪と後輪の駆動配分をコントロールします、基本は5:5の割合ですがエンジンのトルク情報とブレーキの情報とヨーレートセンサー(横G)情報を総合的に伝えて4輪に最適な駆動分配を自動的に行いトラクションコントロールとハンドリング操作の応答をより素晴らしい物にしてくれる装置です。
AYC、アクティブヨーコントロール。
車がコーナーを曲がるときのヨーモメント(ここはすみません余り詳しく知らないです。)を最適に制御するサービス。噂に聞く例えばコーナー旋回時に回転の必要のない内側の車輪に対しては抵抗を与え回転が大きく必要とする外側に駆動力を最適に与えるサービスになるものと思います。理屈で理解は出来ないのですがAYCがあるのでよりファースト・インファーストアウトの技術を高める事が出来ると言うことになると言うことです。
ASC、アクティブスタビリティコントロール。4WDはドアンダーが出やすいとよく耳にする事が多いと思います。インプレッサGDAもGVBもそうなのですが「突っ込みながらハンドルを切る」操作をするとフロントが滑ってしまう現象が出ます。アンダーステアと言うのですが、エボはこれをも自動制御してくれるサービスを搭載します。ASC制御イメージは、ファースト・インした時のフロントのアンダーステアを制御コントロール、ファーストアウト時のオーバーステアを抑制し最大限のコーナーリングをサポートしてくれるそうです。
ABS、スポーツアンチロックブレーキシステム。アンチロックブレーキシステム。これは近年の車には殆ど標準装備です。強くブレーキを踏んだ時にタイヤが完全ロックしないようにするシステムでタイヤロックによるコントロール不能を防止するシステムです。ただ三菱の技術はスポーツABSとしていてコーナーリング時のブレーキングも考慮しているところがすごいと思います。ロック寸前のブレーキングにも旋回方向を考慮したブレーキング配分を制御するとの事。備考、タイヤがロックすると何故駄目なの?タイヤロックはその時点でグリップ能力を失い、それまで働いていた慣性のまま車は進み最悪障害物を避けきれず衝突事故やワインディングなら溝に落下やガードレールへの衝突事故を引き起こします。
S-AWC統合制御。これはすごいです。ファースト・インファーストアウトの概念をコンピュータとデフ関係ですべてアシストしてくれる仕組みを持つのですね。以下は制御イメージス図です。特に図の2はスポーツABSがすごく車の挙動を制御してくれている事が把握できます。乗ったことはないのですがブログやレビュー記事を見るとエボはよく曲がると絶賛の記事が多く見受けられるので実際そうなのだと思います。画像の3つ目のコーナーリング速度は余り重視しなくても大丈夫です皆さんコーナーリング速度は余り変わらないので、重要なのは4つ目のファーストアウト以降の挙動ですよね。大馬力を思いっきり使いきれるコントロール性能を備える感じです。
S-AWCを支える足回り
ものすごい制御装置をもつものの足回りが弱ければ何も意味がありませんというか上記の走りなんてサポートできないですものね。エボの足回りはマクファーソンストラット式フロントサスペンション / マルチリンク式リヤサスペンションとなります。GSR-PremiumパッケージにはBILSTEINのダンパーとEibachのスプリングが標準装備。
ブレーキには信頼性の高いブレンボのフロント4ポッド、リア2ポッドのキャリパーと軽量2ピース大口径ベントレーテッドディスクが標準装備されます。(グレードRS除く)
ホイールはENKEI製の軽量スポークタイプの18インチ鋳造アルミホイールを装着(RS除く)
これはメーカーオプションなのですが四本でENKEIホイールよりも3.7kg軽量化を行うことが出来るBBS製品のアルミホイールです。最初4本で3.7kgかと思い驚きました。
タイヤはYOKOHAMAのアドバンA10(市販されていない)245/40R18 93Yハイグリップタイヤを装着
足回り制御機能はすべて万全と言うことになりますね。すごいです。
トランスミッション
ここが悩ましい部分でしょうか?大半のモデルはTC-SSTと言うセミオートマと言わないのですが自動化されたミッションを装備してパドルシフトでマニュアルモードをコントロールするシフトタイプとなっております。GSR-Premiumグレード以外は5MTを選べるのですがクロスレシオなので気にする必要もないかもしれないのですが3と2速のギア比がどうなのか余り大きい場合ワインディングの下りで回転数あわず辛い場面があるかもしれません。
TC-SST方式はAT限定の免許所有者でも運転可能なのと、6速あるのでどちらかと言うとこちらのトランスミッション搭載車の方がエンジン回転数を思うままにコントロール出来ると思います。
TC-SSTミッション車はハンドルの左右でシフトアップシフトダウンの操作を行います。
5MTトランスミッション車両は左手でシフトチェンジを行います。AT免許では運転できません。
エンジンスペック
- エンジン型式
- DOHC16バルブ直列4気筒MIVECツインスクロールターボエンジン
- 排気量 1998cc
- 内径x行程 86.0X86.0mm
- 圧縮比 9.0
- 燃料供給方式 ECI-MULTI
- 最大出力 300馬力/6500回転
- 最大トルク 43.0kg.m/3500回転
- 無鉛プレミアムガソリンハイオク仕様
- タンク容量 55L
- JC08モード燃費 10.2km/L
最大トルク発生回転数は3500回転なのですが連続可変バルブタイミングシステムMIVECによって低い回転数(全領域)からでも大きなトルクを発生させる能力を持ちます。これがエボの持ち味とされる部分です。またエボ特有のエンジンサウンドですが低い回転からパワーを奏でる力強い音を楽しめると思います。ちなみにスバルはボクサーサウンド(ドドドド・・)、日産のR32等の直6もなんとも言えない独特のエンジンサウンドを持ちますよね。
タコメーターのレッドゾーンは7000回転から、スピードメーターはリミッターがありますので180kmで通常は止まります。サーキット走行する場合に対応出来るように時速300kmまで切ってあります。
エボXの車両スペックと外観
- 車両サイズ(全長×全幅×全高) 4495×1810×1480mm
- ホイールベース 2650mm
- フロントトレッド幅 1545mm
- リアトレッド幅 1545mm
- 地上最低高 140mm
- 定員 5名
車両重量はグレードで異なります。
- GSR-Premium 1600kg
- GSR SMGFZ 1550kg
- GSR SNGFZ 1530kg
- RS 1420kg
GSRとRSグレードはオプション装備によって更に重量が加算されます。
全体的にちょっと車重が重たい感じがします。S-AWCを装備分がウェイトに大きく影響するのでそれを搭載しないRSが理想的になウェイトとなっております。フロント周りが特徴的でむき出しラジエターにナンバープレートがエンジンの冷却を邪魔しないように左バンパーに配置されます。純正なのにレース仕様と思わせるいかついフロントマスクデザインもエボの魅力です。
大型リアスポイラーも全車標準です。高速走行時にダウンフォースを発生させます。
RS除く全グレードにはディスチャージヘッドライト(ハイビーム / ロービーム・光軸自動調整機構付)+Adaptive Front Lighting System(AFS)[アダプティブフロントライティングシステム]が装備されます。夜間のワインディングで曲がる方向に補助灯を点灯させてドライブをアシストします。
RS除くのですがホイールのスポークの間から見える真っ赤なブレンボのブレーキキャリパーもよく似合います。
内装
グレードRSを除くGSRグレードにはレカロ製のフルバケットシート(実際はセミバケットです。)が装着されます。シートだけでも20万円は下らないですよね。羨ましいです。
RSの内装は極端に悪くシートはホールド感まったくないシートが採用されます。シート交換のことだけを考えてもRSだとかなりカスタム化にはお金が掛かりそうです。RSグレードは最初からレース用途して使うことが目的なのでしょうか。
MT仕様の運転席周りです。
TC-SSTセミオートマとは言わないのですがAT仕様の運転席です。シフト操作はハンドル下のパドルシフトでギアチェンジします。
ランサーエボリューションXの感想
ざっと見ただけでも価格以上に見合う装備にはびっくりです。レカロのセミバケットってフルバケで確かシートレール含めて10万円は下らないのにセミバケットとなると市販品なら一つ15万円は絶対しますので内装だけでもお得感は高い。しかもドライバーアシスト機能充実ですしAT免許の方でもMTの様な運転もこなすことが出来ると言う車の運転を十二分に且つ安全に且つ時には激しく楽しませてくれる。スポーツカーが嫌いな人でもこの車には乗って欲しいと強く思う一台ですよね、兎に角走る曲がる止まる運転しやすいを重視した三菱の車への愛嬌がとても伝わってくる一台です。
ランサーエボリューションXの動画
https://youtu.be/f92lQ9nGu10