最近の自動車にはVDCと言う自動車の横滑り防止をサポートする安全装置が搭載されている事がほとんどなのですが、実際にそれが本当に有効なのか体験する事が出来たのでレビューします。
私の所有する自動車はスバルのWRX-STI(VAB-C型)。VDC標準装備で自動車がオーバーステアやアンダーステアと言う横滑りしそうなシーンを検知して自動的にそれを防止してくれると言う機能です。
オーバーステアとアンダーステアのイメージ。オーバーステアはリヤが外側に流れて自動車がカーブに対して内側に向いてしまう挙動。
アンダーステアはフロントが外側に流れてしまいカーブに対して内側を向かない挙動。今回体験できたのはこちらのアンダーステアです。
VDCが介入するとインパネにある橙色の自動車がスリップするアイコンが点滅する仕組み。ただ運転しているときは実際には確認できない。
道路のコンディション
道路のコンディションは雨上がりのウェット。雨の降り始めは滑りやすいのですが雨が流れた後は降り始めよりも路面の状態は悪く無いものの、通常のサマータイヤでファストインとファストアウトしていると事故の元なので速度は控えめに走らなければならない。法定速度ならもちろん問題ない。
普通に走る分には全く問題ない道路のコンディションです。
少し速度を上げてみる
ステアリングを急激に切るシーンでもご覧の通りVDCの介入はない。流石に上り坂ではVDCが介入する程のトラクションがかからないシーンは無い様子でした。
こちらが上の写真の動画です。路面は滑りやすいウエットコンディションです、ステアリングを切り込んでもアンダーステアは出ない。オーバーステアはファストアウトをしていないので出ない。
VDC 発動 アンダーステア
少し回り込んでいる左コーナーでVDCが発動しました。
VDC警告灯が点滅する。
この時感じた車両の挙動は次の通り。
- 前が滑っているのでアウトに膨らむ
- 危ないので内側にラインを取れるようにステアリングを左に大きく切る
- フロントが滑っているのは治らないが何とかステアリングで外側に膨らむ事は防ぐことが出来た。
- ステアリングで調節しているとVDC介入が入りトラクションが回復するのでステアリング微調整
こちらが最初にVDCが発動した時の動画です。動画終わりの方でステアリングの左上にVDC警告灯が点滅しているのが見れます。
VDCが発動しても止まるしか処理する事が出来なかったアンダーステア。これは動画見て頂ければ分かる通り最後の最後までトラクションが戻ることは無かったのでブレーキでほぼ停車の状態に陥りました。
- 減速してコーナーに入る
- ゆるいコーナーリングでステアリングを左に少しきる。アンダーは出ないので行ける
- エンジンブレーキでトラクションもかかっているしこのまま巻き込みの所もステアリングを更に右へ深く切って対処するも、そこでアンダーステアが発生しVDC点滅が
- アンダーステアだが何時もの様にステアリングを更に深く切り込んで減速とアンダーステアから抜け出ようとするも
- アンダーステアから抜けられずフルブレーキ
これがその時の動画です。最後に一捻りで減速しようとするもクリアできず。
VDCが発動したコナーに似ているシーンで、先にオーバーステアが出るかを試してみるもやりかたが悪いのか全くオーバーステアにはならなかった。ディレッツァDZ102なら簡単にこれくらいでアンダーになるのだが。
VDCって効くの?
最後に、VDCの効果って本当にあるのか気がかりですよね。
この動画を撮影しに行った時にVDCが発動したのは2回だけでしたが、一回目のVDC発動時は明らかに絶大な効果があったように感じました。
二回目のほぼ停車処理しなければならなかったポイントは次の事が原因だと思われます。
- 速度が速すぎた
- 道路が急勾配からフラットな感じの場所になっていた
- VDC介入するシーンでリヤ側のトラクションも抜けやすい状態だった
路面状況が滑りやすい上にトラクションが掛かりにくい状態だったので二回目のVDC効果が薄れてしまった感じでしょうか。
VDCの効果は絶大ですが路面状況が悪い時は速度は控えめに走るのが望ましい。