歴代のインプレッサ(WRX STiシリーズ)は基本的にセダンが主流なのですが、GDBシリーズからフルモデルチェンジされた時に唯一5ドアハッチバックモデルである「GRB」と言うモデルが2007年から2014年まで販売されました。しかしながら根強いファンからの熱望により(当時のスバル営業担当曰く)4ドアセダンモデルである「GVB」が2010年7月から発売されると同時にGRBの人気が急落、中古市場でも4ドアセダンと比較するとだいたい100万円の価格差が付いてしまうインプレッサでは余り人気のないグレードとなってしましました。
何故こんなに人気が無いのか私にも理解できないのですが、はっきり申し上げましてGVBと同じ性能ですし実用性は「GRB」5ドアハッチバックモデルの方が高い。しかも同じスペックなのでどっかんターボパワーでびっくりする暗い速いので5ドアであるGRBもとてもお薦めです。
GRBでも特におすすめなのが、STiが独自にチューニングしたコンプリートモデルであるSシリーズである「R205」です。このシリーズは先日もVABベースの「S207」が発売されたと同日に完売してしまう程の人気シリーズなのです。
R205はSTi公式ページにもあります通り専用のECUチューニングと専用ボールベアリングツインクロスターボの採用により、搭載するパワーユニットである水平対向4気筒ターボエンジン(EJ20型)の最高出力は320ps/6400回転(GRBノーマルは308ps/6400回転)、最大トルクも44.0kg.m/4400回転(GRBは43.0kg.m/4400回転)とベースグレードよりもパワーアップされています。
中古市場価格ではGRBベースのR205とGVBベースのS206を比較すると、余り個体数少ないので一概には言えませんがやはり100万円前後S206の方が高い。
R205の方が年式が平成22年と若干古いですが、車両のスペックと強化パーツはS207と殆ど変わらない。
2015年11月現在のR205の中古車相場は、走行距離3万3千キロの程度のいいもので348万円より。走行距離4万4千キロのモデルで328万円より。
S206は平成24年と年式はこちらの方が新しいので値段は必然的に高くなりますが、走行距離3万3千キロで418万円。走行距離が少ないものなら恐らく500万円(ほぼ売り出し価格)近くすると思われます。
装備もバッチリ。このグレードで純正から改造している人は少ないと思うのですが、まずブレンボのフロント6ポッドキャリパーと18インチ2ピースタイプ・グルーブドディスクローターでブレーキ性能が強化されており次の剛性アップ強化パーツが組み込まれています。
主な強化パーツ。
- 専用ダンパーキット/スプリング
- ピロボールブッシュ・リヤサスリンク
- 液量18インチ8.5Jアルミホイール
- フレキシブルタワーバー
- フレキシブルサポート/リヤ
- 専用フロントパイプにリヤピース
- シリコンゴム製インテークダクト(サクションパイプ)
中古車だと幾つかは変更されている可能性もあります。特にタイヤはRE070から他のハイグリップタイヤに交換されている可能性は高い。大切に扱ってくれるオーナーが多いR205シリーズなら何も強化する必要も無いしレストアする必要もないので低コストだと個人的には思います。下手に200万円未満のノーマルGRBを安く買ってもショックダンパーの交換やボディー剛性強化及び細かいレストア料金を含めるとR205よりも高コストになる事もある。
これは中古車の写真なのだが牽引フックは通常取りつけられていません。前から見たら殆どGVBと変わらない。
ハッチバックが好きか嫌いかで大きく別れる。インプレッサ=セダンと思う方は買わない方が良いかもしれませんが、性能は同じです。
インプレッサの象徴である大型リヤスポイラーが取り付けられないのが難点。その代わり大型ルーフスポイラーが取り付けられています。
R205 主要諸元表
- 全長x全幅x全高 4415x1795x1465(mm)
- ホイールベース 2625mm
- 定員 5名
- エンジン EJ20型
- 2.0リッター水平対向4気筒DOHCターボエンジン
- 最高出力 235kW(320ps)/6400回転
- 最大トルク 432Nm(44.0kg.m)/4400回転
- JC08モード燃費 非公開もGRBとGVBと変わらない10.4km/Lは行きます
- 駆動方式 AWD
- トランスミッション 6MT