WRXのブレーキパッド交換
ブレーキパッドがフェードしてしまい、それ以来ブレーキのタッチに違和感を覚えたのでブレーキパッドを交換する事にしました。
車のパッド交換はやったことが無いので作業は「みんからbad マックさん」にお願い致しました。
用意したブレーキパッドはエンドレス SSM
交換用に用意したのはエンドレスSSMと言うブレーキダストと鳴きが少ないストリート~峠まで対応の製品。
VAB・前期型は写真の品番のブレーキパッドを純正ブレンボキャリパーに取付可能です。6ポッド用のVAB後期型のブレーキパッドも販売されています。
・フロント EP357 (GDB・GVB・VAB前期共通)
・リヤ EP291 (GDB・GVB・VAB前期共通)
WRX エンドレスブレーキパッド 適合表「https://endless-sport.co.jp/」より
エンドレスSSMはダストが少ないのだがブレーキが効くのかと言う疑問の声も多いですが、取り付けた感想はめちゃくちゃいいです。特にリヤもしっかりブレーキングしている感がよく伝わってきます。
ブレーキパッドのライニング厚みはフロント・リヤ共約1cm。純正も恐らく1cm程度だと思います。
中にパッドとは別に白いシム(プレートのようなもの)が付属するのですが、取付時純正のプレートと置き換えて使います。
ブレーキパッド交換に必要な道具
ホイールを外すのでまず以下の記事の道具が最低限必要です。
次にブレーキパッドを交換する作業は新しいパッドが入るようにポットを開く必要があり、その差異ブレーキオイルタンクの油面があがり溢れてくるので
・ブレーキオイルを少し抜き取る耐油性のスポイドが必要です。
自転車の油差しの空のものでも良い。これを使ってブレーキオイルタンクから少しブレーキオイルを抜き取ってから作業しないとオイルが溢れてこぼれてしまいます(ブレーキオイルはアルカリ性なのでボディに付くと剥げます)。
次に必要な道具ですが、パッドを広げる「ディスクブレーキピストンツール」という物が必要です。
GSX(バイク)に乗っていたときは頻繁にブレーキパッドを自分で交換したことがあるのですが、そのときはマイナスドライバーでパッドを広げて作業してたのですが自動車だと流石にマイナスドライバーでと言うわけには行かないと思います。
・「ディスクブレーキピストンツール」はアマゾンで約1000円で入手可能。
・ブレーキパッドを抑えるバネを固定しているシャフトを外れないように固定しているピンを抜くためのラジオペンチ。
次にシャフトを抜くのにプライヤーかシャフトの径にあった細いピンとショックハンマーが必要です。
シャフトに径にあった細いピン(4mm)があればショックハンマーで叩くと簡単に取り外しできますが
シャフトを叩いて通すピンがなければプライヤーまたは万力でバネを指で抑えてシャフトを取り外す事もできる。
その他あれば便利な道具としては、パーツクリーナーやウエス。ブレーキダストでキャリパーやシャフトそれにバネがドロドロなのできれいにしてから取り付けるのも良いかもしれない。
ジュラン・ブレーキグリス。ブレーキの鳴きを低減するグリスです。無くても良いと思いますが、ブレーキパッドによってはグリスを塗らないとキーキーとかひゃーひゃーとブレーキが鳴くことがあります。
ブレーキパッドの取り外し(フロント・リヤ共通)
まずブレーキオイルを少し抜き取る(全部抜いてはいけません、L位まで。またパッドを広げるときも溢れないか注意してください)
シャフトを固定しているピンを2箇所外す。
赤い馬の下に見えるのがピンです。後でまた使いのでなくさないように。
上、または下のシャフトを抜く(プライヤー等)。
片側のシャフトが抜けると、パッドを固定しているバネともう一本のシャフトは簡単に外れます。
次にディスクブレーキピストンツールを使って2ポットなら下または上のポットの場所を広げていきます。6ポットなら下または上次に中と言う具合にポットを広げると思います。
片側のポットをある程度広げたらパッドが取れるので、取り除いてしまいます。
(ブレーキオイルタンク油面注意)最後に広げていないポットを同様に広げてしまいます。
パッドが外れたら、新しいブレーキパッドの取り付けを行います。
エンドレス ブレーキパッド取り付け
エンドレスのブレーキパッドはSSMだけかもしれないのですが純正のシムは使わずに、エンドレス付属のアンチノイズシム(両面テープ付き)を使います、矢印の付いた純正シムは使います。
エンドレス付属シムの両面テープを保護しているシールを剥がし
ブレーキパッドに貼り付けます。
純正シムとエンドレスシムの密着部分にブレーキグリスをまんべんなく塗り
図の様に貼り付け、キャリパーに左右取り付けします。
ブレーキパッドを取り付ける方向の注意点
純正シムに矢印があります、この矢印が回転する方向にパッドをキャリパーに取り付けしなければならない。
矢印シムを取り付けないもしくは矢印を逆に取り付けても問題は無いそうなのですが、バッドのライニングが均一に減らない可能性があります。
パッドを取り付けたらバネとシャフトを通しピンで固定して作業完了
まずバネをパッドの上に取り付けて、上または下のシャフトを(固定のピンを通す穴を上にして)先に通します。
次にバネを抑えながら残ったシャフトを通し、ショックハンマーで軽く叩いて押し込んであげる。
シャフトを固定するピンを差し込む穴が見えればOK。穴が見えない場合はプライヤーで回してみてください。
シャフトを固定するピンを二箇所差し込んだらブレーキパッドの交換作業は完了です。
ブレーキパッドを交換したら必ずブレーキの慣らしをしてください
ブレーキパッドを新品に交換した直後はブレーキローターとパッドの接地面が少ない場合があるので、パッドが馴染むまで速度を控えめに慣らし運転してください。
bad マックさんに教えて頂いた慣らし運転方法は
車の少ない道路で時速40キロ程度から50%程度のブレーキングを繰り返し約5~6分行いパッドに熱を入れて停車し10分程自然に冷やします(夏季ならもう少し長く)。
次に同様に時速40キロ程度で70%程度のブレーキを繰り返します。時間も同じくらい5~6分位してから停車し、今度は20分程度掛かると思うのですが自然に冷やしてあげると大体のブレーキパッドの辺り付けは完了。
エンドレスSSMブレーキパッドは被膜を作るみたいで、ブレーキがローターに当たっている部分は虹色に変色します。
ブレーキオイル交換
ブレンボのブレーキオイルを交換するには次の道具が必要になるのと、ブレーキを踏んでもらう人が別途必要。一人でもできるそうなのだが基本的に2人で作業した方が良いとの事。
・ブレーキオイル ドット3またはドット4 (ドット5は水分を含みやすく頻繁に交換が必要になる)
・11mmメガネレンチまたはカニレンチ (オイルを抜くブリーダープラグは11mm)
・11mmトルクレンチ リーブリーダープラグ締め付けトルク18.5nm厳守。
・オイル逆流防止ワンウェイバルブ付き「フルードキャッチタンク」
・オイルを少し吸い取るスポイドまたは注射器(なんでも良い)
・ブレーキを踏む人(人間)
その他、「AODEA(エーモン) 廃油処理箱 ポイパック」とホイールを取り外す工具一式も必要。
どうしても一人で交換する場合はこの様な手動式オイルチェンジャーがオススメ。
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ブレーキオイル交換の準備
まずウマに掛けてホイールを外すのは当然なのですが、ブレーキオイルを交換する前に
ブレーキオイルタンクから少しオイルを抜いておく必要があります。
注意点としては、ブレーキオイルタンクから全部抜いては駄目。3分の1位かWRXなら前後にタンクが敷居で別れているので前だけオイルを抜いて、新しいオイルを予め足しておく。
WRXの場合、前後に敷居で別れていて前側だけ一旦全部オイルを抜いて
ブレーキオイルタンクに溢れない程度に新しい交換用オイルを入れてブレーキオイルリザーバータンクに同様にオイルを入れて減ったら継ぎ足ししてくれるようにセットします。
ブレーキオイルタンク側の準備ができたらブリーダープラグのキャップを抜いておく。
ブレーキオイルを抜く順番
準備ができたらブレーキオイルを抜いていくのですが
順番はブレーキのマスターシリンダーから一番遠い(距離の長い)キャリパーの外側(フローティング式なら一箇所だけなので関係ないです)からオイルを抜いて行きます。
順番的には以下の通り
- 助手席側リヤキャリパー(外→内)
- 運転席側 同上
- 助手席側 同上
- 運転席側 同上
対向キャリパーは外と内の二箇所あり、先に外側からオイル交換し完了したら内側を交換と言う流れです。
ブレーキオイルを抜く作業
ブリーダープラグに11mmメガネを掛けて、フルードキャッチタンクのバルブを接続する。
次にブリーダープラグを緩めてブレーキペダルを踏むとオイルが排出されていきます。
注意点としては、ブレーキオイルタンクのオイルが補充されているか豆にチェックしてください。
エンジンは停止したままブレーキペダルを踏んでいきます。
古いオイルから新しいオイルに入れ替わったら交換完了。
(目安的には色が変わるのだけれど、カストロールのゴールド缶ドット4は色が濃いのでわかりにくい)
ブレーキペダルを踏んだまま、ブリーダープラグを軽く閉じてオイル交換完了。次はキャリパーの内側のオイル交換を行い他3つのキャリパーも外側→内側のオイルを交換して作業完了になります。
ブリーダープラグは軽く締める、力を入れて締め付けるとねじ切ってしまいキャリパーを壊す恐れがあるので注意してください。
垂れたブレーキオイルは必ずパーツクリーナーで洗浄してウエスできれいにクリーニングしてください。
最後にトルクレンチで18.5nm規定トルクで締め付けして完了。